
フイグオロウ
回鍋肉
~四川省成都市~

柔らかい肉と香ばしい味噌の香りが食欲をそそる回鍋肉
庶民の知恵から生まれた
お祭りのお供え物を再利用
日本では豚肉とキャベツを甘辛く炒めた料理として知られる回鍋肉(ホイコーロー)。
中国ではキャベツではなく、ニンニクの芽を使用するのが一般的だ。
日中ともに庶民の中華料理として親しまれるこの料理の由来には、昔の庶民の賢い知恵が隠されていた―。
四川省には古くから月初めと月半ばに土地の神を祀る「打牙祭」という祭事があった。
供え物として牛・羊・豚を捧げて、終了後に調理して頂くというのが決まりだったが、
庶民たちには動物を3頭も用意する余裕はなかった。
そこで豚肉の塊を買ってきて、鍋で茹でたものを捧げることにしたのだった。
ところが、祭事が終わる頃には豚肉はすっかり冷めてしまい、食べられたものではなかった。
そこで、薄切りにしてニンニクの芽や赤唐辛子と一緒に強火で炒める調理法を考え出したのだった。
その後、一旦茹でて冷めたものを再び平鍋(フライパン)で調理するということから、
「回鍋」(鍋に戻す、温めなおす)と名前がつけられた。

成都は四川省に多く点在する世界遺産への観光拠点でもある。
写真は、四川省を代表する観光地の九寨溝
時代の流れとともに祭事が廃れていっても、
料理は受け継がれていき、今や四川料理の代表とも言える存在になった。
数年前に四川省で行われた民間調査によれば、
50%以上の回答者が四川料理の代表と言えば回鍋肉だと答えたという。
ルーツの地である四川省だけでなく、中国全土のレストランで10元程度で食べられている回鍋肉だが、
一度本場の味を味わいに行ってみるのも良いかもしれない。
庶民の知恵を噛み締め、もしも残ってしまった時は打包(テイクアウト)し、さらに〝回鍋〟して頂こう。

【アクセス】
①上海浦東空港から成都まで飛行機で約3時間
②上海駅または上海南駅から空調普通快速に乗り、成都駅まで。約35時間、硬座257元~
~上海ジャピオン12月18日号より
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