食道をゆく 第17回 搾菜

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ジャーツァイ
搾菜
~重慶市?陵区~

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コリコリとした歯ごたえとピリっとした辛みが癖になる搾菜

その名の通り、「搾った」漬物
意外と浅い、その歴史とは

 日本でもおなじみの漬物の一種「搾菜」(ザーサイ)。
中華粥の薬味には欠かせない一品であり、お酒の肴や炒め物などの料理にも活躍する。
主原料はカラシナの一種である「青菜頭」という野菜で、茎から下のコブ状の部分を使用して作られる。
今や世界へと広まり、遥か昔から食べられていそうなイメージがあるが、その歴史は意外と浅かった――。
 清朝光緒年間にあたる1889年、現在の重慶市?陵区に、農業を営む邱寿安という男がいた。
この年は天候に恵まれ、青菜が豊作となったため手が足らなくなり、
鄧柄成という男を作業員として雇うことになった。
青菜は食べても売っても減らず、見かねた鄧柄成は木製の道具を使って水分を搾り取り、
漬物にして食べる方法を考えたのだ。
全部で甕に2つ分ほど作り、家の常用おかずとして食べることにした。

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長江三峡下りで、雄大な景色を楽しむ

 ある日、湖北省でレストランを経営していた邱寿安の弟・邱漢章に、これを1甕送ることにした。
受け取った弟が、仕入れ客にそれを食べさせてみたところ、すこぶる評判で、注文が殺到したのだ。
 その後、その製造方法から「搾菜」と名づけられ、邱寿安は?陵に搾菜加工工場を立ち上げた。
生産量は年々増えていき、今や搾菜は中国全土のコンビニやスーパーで2元~で売られているだけでなく、
世界各国で親しまれている。
 ?陵区のある重慶市は、中国第4の直轄市。長江沿岸に位置し、三峡下りでも有名だ。
日本のものよりも少しピリ辛い本場の搾菜をコリコリと食みながら、優雅に河を下ってみよう。

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【アクセス】
①上海南駅から重慶駅または重慶北駅まで、空調快速で約31時間~、硬座242元~
②上海浦東空港から重慶江北国際空港まで、約3時間

~上海ジャピオン12月11日号より

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