空間全体を包み込む母の鼓動のおおらかさ
旧歴の新年も間近に控えた、とある休日の午後。日本人学校の体育館には、来たる一年に渇を入れるかのような、激しい太鼓の音が響き渡った。
音の主は、上海で次々と活動の場を広げている和太鼓サークル「和響」。彼らの今年最初の稽古にお邪魔した。
聞く人を巻き込む力
「和太鼓の音は、母の鼓動の音」と話すのは、練習をリードする植本多郎さん。耳をつんざく響きの中に存在する心地よさ。そして、一生懸命叩く音を聞けば自分も叩きたくなるという不思議な力を、和太鼓は秘めている。ここに集まったメンバーはみんな、その「母の鼓動の力」にからめ取られてしまった人たちだ。
「和響」結成のきっかけは、駐在員の妻たちが、中国で暮らす子供たちに日本文化に触れる機会を作ろうと太鼓を用意したこと。今では36人のメンバーと25台の太鼓を有する大所帯となり、イベントやパーティーの盛り上げ役として欠かせない存在となっている。
耳で覚える和太鼓には本来楽譜は無いが、和響ではオリジナルの楽譜を使って練習している。く。
懐の広さが持ち味
「ソレッ ドンドンドン」威勢のいい太鼓の響きと共に、冷たくピンと張り詰めた空気が震える。
所狭しと並べられた太鼓の前で豪快にばちを振るうのは、10歳から70代までのメンバー。立場も経験もバラバラの彼らが織り成す見事な音の調和は、日ごろの練習とコミュニケーションの賜物だ。
今後の目標は曲のレパートリーを増やすこと。「和太鼓は、実はジャズやクラブ音楽とも合う、懐の広い楽器」と植本さん。「その持ち味を生かしつつ、上海だからこそ、『和響』だからこそできることにチャレンジしていきたい」。
その熱い想いは鼓動と相まって、今年も上海に響き渡る。
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「和響」への問い合わせはwakyo_sh@yahoo.co.jp
~上海ジャピオン2月2日発行号より
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