防犯のてびき
緊急事態への準備
海外で生活する場合、滞在国でいつ何時緊急事態が発生するとも限らないという認識に立ち、一時的に国内の別の場所に移動したり(一時待避)、国外の安全な場所へ出国する(国外退避)ことができるよう、平素から準備しておく必要があります。在上海日本国総領事館のHP(第5章参照)「生活・安全関連情報」の中には、「緊急事態に備えてのチェックリスト」が掲載されているので、参考にしておくと良いでしょう。
緊急事態に備えてのチェックリスト
●旅券
 6か月以上の残存有効期間があること。旅券の最終ページ「所持人記載欄」、また血液型(blood type)が何型かを記載しておく。
●「居留証」と「労働許可証」等
 いつでも持ち出せる状態に。
●現金、貴金属、貯金通帳等の 有価証券、クレジットカード・現金は家族全員が10日間程度生活できる外貨と、当座の必要となる現地通貨を最低限用意。

●自動車等の整備
 自動車がある人は、燃料は常に十分に。また車内には常時、懐中電灯、地図、ティッシュ等を準備。自動車のない人は、近くに住む自動車のある人と日頃から連絡を。

●携行品の準備
 ・衣類・着替え、履き物、洗面用具
 ・非常用食料
 (自宅待機も想定し、米、調味料、缶詰類、インスタント 食品、粉ミルク等の保存食、ミネラルウォーターを家族全 員で10日間程度生活できる量)
●医薬品
●ラジオ
 (NHK海外放送ラジオジャパン、BBC、VOA等の短 波放送が受信できる電池使用のものと電池の予備)
●その他
(懐中電灯、予備の強力なバッテリ、ライター、ろうそく、 マッチ、ナイフ、缶切り、栓抜き、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、可能ならヘルメット、 防災頭巾またはクッションなど)

上海に慣れた人も、もう一度防犯意識の再確認を!

上海生活に慣れてくると、ついつい外国暮らしの緊張感が薄れがちですが、実際には日々、多くの事件が発生しています。総領事館のHPでもいくつかのトラブル事例が報告されていますが、上海でどんな事故や犯罪が起こっているのか、またその心構えを挙げてみましょう。
(一部、在上海日本国総領事館HPより抜粋)

(1)軽犯罪から身を守る
 まず気をつけたいのはスリなどの比較的小さな犯罪。バスや地下鉄の乗り降りなど、人で混む所では注意が必要です。リュックやファスナーのないバッグは狙われやすく、とくに日本人は犯罪者から脇が甘いと見られているので、混み合う市場などでは脇をしっかりしめましょう。また、その他の犯罪に巻き込まれないために、暗い路地裏や知らない道に入らない、中国人がもめているところには近づかない、知らない相手にやたらと名刺を渡さないなどのことを心がけましょう。

(2)日本との環境のズレに慣れる
 日本人がなかなか慣れない点の一つにこちらの「交通」があります。車の右側通行、車両の常時右折可など、日本と交通規則が異なる上、信号無視、歩行者や自転車が所構わず道路を横断することなど、交通マナーが大変悪く、いつ交通事故に巻き込まれてもおかしくない状況と言えます。歩行中や横断中は左右後方から近づいてくる車両に十分気をつけ、慣れないうちは中国人の後ろについて、道の歩き方をマスターするとよいでしょう。タクシー等の運転手にも速度や車間距離等に注意を促すなどして、交通事故防止に努める必要があります。 また、街中には日本にいた時には想像もしなかった危険が潜んでいます。道はでこぼこで、マンホールの蓋が外れていることもあります。また設置物が安全に取り付けられていなかったり、建設中の所では物が落ちてくる危険もあるので、常に注意を払いましょう。


(3)住まいでの防犯・事故防止対策
 中国生活で日本と大きく違う点は、家族以外の人の出入りが多いことでしょう。お手伝いさんやマンションの関係者、大家さんなどが、自分の留守中に合鍵を使って家に入っていることがあります。自分の家であっても、貴重品は常に鍵のある所にしまっておく気遣いが必要です。また、アイさんなどは紹介所など、信頼できるルートから雇い、知り合いの紹介で雇った際には、万一の場合でも、責任追求ができないものと覚えておきましょう。
 また上海では日本人中国人を問わず、毎年冬場に、ガス器具使用中に一酸化炭素中毒で死亡するケースがあります。気密性の高い部屋で入浴中に排気が不完全なガス器具を使用していたことによって一酸化炭素中毒になるケースが多く、中には使用後しばらくして中毒になるケースもあります。ガス器具使用に当たっては、使用中、使用後も換気に十分注意するとともに、ガス器具の点検を定期的に行うよう心がけてください。

(4)災害時の連絡方法の準備
 高層住宅が増えている上海ですが、市内の消防設備や避難用具が完全に設置されているかと言えば、そうとは言いきれないのが現状です。
 万一、高層ビルで火事が起きた時に、自分ならどうやって逃げるか、何を持って逃げるか、また家族がいる場合はどこに避難集合するかを、普段から話し合っておくようにしましょう。
 またリスクマネジメントとしては、領事館や友人などの緊急連絡先などを常に持ち歩き、連絡できるようにしておくほか、何かあったら頼れる中国人の知り合いを作っておくことも大切です。マンションの守衛さんや掃除のおばさん達と普段から仲良くしておくといった些細なことが、いざという時に役立ちます。
 また普段から中国や上海で起こっていることに関心を持ち、情報収集しておくことも大事です。総領事館や外務省の発表はもちろん、中国の新聞や上海市のHPなどは、大事な発表が必ず載るのでこまめにチェックして、いち早く対応できるようにしておくことが大切です。

オフィスの防犯対策
上海では今のところピストルを使うような凶悪犯罪は少なく、被害額の比較的少ない、空き巣やコソ泥などの盗みの犯罪が多くなっています。特徴的なのは、日本人の感覚からすると、たいしたことのない、または思いもかけないものが盗まれるということです。たとえば、会社の備品のパソコンや資材、入り口に設置してあった商品サンプルなどが挙げられます。
 オフィスは安全なように見えて、実は、見知らぬ人が常に出入りする場所なので、貴重品をデスク上に置きっぱなしにしてしまうのも考えものです。また、ビルの入り口に守衛がいるからといって安心せず、入り口の鍵を暗証番号ではなく電気錠(カード読み取り錠)にしたり、シャッターをつけたりといった物理的な対策が効果的です。
 社内の内部犯行では購買担当など、金銭の管理に関わる部署での犯行が多いので、金銭管理をさせる人を頻繁に交替させる、何でも任せっぱなしにしないで常に確認するなどの、基本的な対策が必要です。また社内(とくに工場など)では防犯カメラが防止に役に立っている会社も多いとのことです。
 更に、盗みは案外社内の人間関係や個人の心理状態に起因することが多いので、給料体系の公平性や透明性を高め、賞与、昇給の前の査定基準を明らかにするなどの対策を行っておくことが防止につながることもあります。
犯罪に巻き込まれたら
 実際に自分が犯罪や事故に巻き込まれた場合どうすればいいのでしょう。まず、領事館に問い合わせ、そして地元の公安にも連絡をします。これは問題解決のためだけでなく、後で保険請求の際、必要になる書類をもらうためです。
 しかし、基本は「自分の身は自分で守る」という意識が、異国で暮らす上で一番大切な防犯対策と言えるでしょう。

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