上海の日本人住宅環境
上海の賃貸不動産は貸し手市場
上海の外国人向け不動産賃貸の動向は、ここ数年、貸し手市場の横ばい状態が続いています。
 上海に住む外国人の数が少なく、政府から指定された専用宿舎やホテルにしか住むことを許されなかった時代を経て、1992年の市場経済導入以降は、中国の順調な経済発展とともに外国人賃貸主が増加。不動産開発業者による不動産投資が過熱し、その結果、賃貸住宅は供給過剰状態に陥り、平均賃貸料は1997年より下降の一途をたどりました。1997年当時の約半額にまで下がった2000年に賃貸料は底を打ち、その後WTO加盟の期待から外資系企業の中国進出が復活、外国人向け高級賃貸住宅の供給が需要に追いつかない状況が続いています。完全な貸し手市場であることから、数年来住み続けたマンションの契約更新の際に賃料の値上げを要求される例が報告されており、借り手にとって厳しい時代となっています。
 ただ2001年8月からは、外国人用・中国人用(国内用)マンションの区別が撤廃されたこともあり、上海の賃貸マンション市場はバラエティ豊かになってきています。中国人用マンションの中にもレベルの高い住宅が出ており、幅広い選択肢の中から賢く住宅を選ぶ目が必要となってきています。

日本人が多く住む住居の形態

上海で日本人が多く住む住居の多くは外国人用住居ですが、マンション、サービスアパートメント、一戸建てなどの種類があります。
(1)外国人用住宅
 外国人向けの住宅条件を満たしている住宅のことで、その多くがマンションです。管理および運営主体が会社の場合が多く(個人オーナーの場合もあります)、セキュリティやメンテナンスサービスがしっかりしているのが特徴です。
 たとえば入り口には門衛が配置されており、水回りのトラブルや備品の交換などにマンションが対応してくれるなど、上海生活に不慣れな外国人にとって安心・安全な住宅になっています。
 また各種サービスが充実していることが多く、シャトルバス、衛星放送、公共料金の支払い、ミネラルウォーターの宅配、クリーニングの受け付けなどのサービスが、英語や日本語で受けられるほか、プールやジムなどの付帯施設が付いている場合もあります。
 外国人用住宅の種類には、上記のマンション以外にも、サービスアパートメント、一戸建てなどがあります。短期・長期出張者や単身者にとっては「酒店式公寓」と呼ばれるホテル式サービスが受けられるサービスアパートメントが人気です。「ホテル式」ならではの週数回または毎日の掃除サービスがありながら、しっかりしたキッチンが設けられているということもあり、最近はご夫婦で住んでいる人も多くなっています。
 一戸建てはこちらでは「別墅(ヴィラ)」と呼ばれ、間取りが3〜4LDKで家の前に庭が付いている物件が多くなっています。環境の良さなどから、子どものいる家庭が多く居住しています。
(2)中国人用(国内用)マンション
 留学生や現地採用の日本人の多くが利用している中国人用物件は、その多くが個人オーナーからの賃貸となります。賃貸の際の注意点としては、保証金が戻って来ないことが多いこと。また外国人用住宅のような保安のためのサービスなどは一切ありませんが、安い物件を探されている人にはお勧めです。最近では駐在員の方も利用されています。

日本人が多く住む エリアと特徴

現在、日本人が多く住んでいる住宅エリアは、主に以下の4エリアです。



(1)虹橋・古北エリア 
 市西部にある「虹橋経済技術開発区」近辺の地区。中国国内でも最初に外国人に開かれた経済開発区だけあり、外国人用オフィスおよび居住地域としての歴史が古いエリアです。
 その南西部に位置する「古北新区」も外国人居住区としての歴史があり、日本料理店、日本食材屋など日本語が通じるお店が多く、また外資系のスーパーマーケットなどがあり、日本人の生活必需品が手に入りやすい環境が整っています。日系幼稚園や日本人学校、ゴルフ場などへのシャトルバスも出ていて、お子さんのいる家族や海外生活が初めての人などにとっては、とても暮らしすい地区で、実際日本人住居率も非常に高くなっています。
 虹橋空港へも10分ほど。少し郊外に出ると緑の多い静かな高級住宅地となり、一戸建てヴィラタイプの家が多くなります。現在地下鉄建設も始まっていますが、市内へのアクセスが少し不便です。

(2)市内エリア
 市内中心部。南京路、淮海路といったショッピングストリートへ、地下鉄、バスなどでアクセスでき、静かな環境よりもむしろ上海生活をアクティブに動きまわりたい単身者や子供のいない夫婦などに好まれているエリアです。また日本語は通じなくとも英語が通じるマンションが多いため、かつて海外生活を経験したご家族が選ばれるケースもあります。
 市内各所には、かつて租界時代に建てられた老房子と呼ばれる建物があり、また現地の人たちの生活が隣り合わせになっていて、異国での暮らしを強く実感できます。新築のマンションが増えている地区で、サービスアパートメントや短期出張者向けのホテルタイプのマンションも多くなっています。
 教育施設への通学や日本食材の購入などでは多少不便を感じることもあります。

(3)浦東エリア
 黄浦江より東に位置する、ここ数年で目覚ましい発展を遂げているエリアです。「陸家嘴」と呼ばれる金融・貿易の中心地でもあり、多くの日系企業がこの場所に集中しているため、浦東地区で働く人やその家族が多く住んでいます。通勤、また出張の際の空港アクセスがたいへん良く、価格が市内より比較的安いというメリットがありますが、日常生活環境については発展段階にあります。

(4)日系マンション
 エリアに限定されず、日本人・日系企業が管理している住宅施設には、多くの日本人が住んでいます。多くが虹橋地区に集中していますが、浦東地区にも日系マンションがあります。
 日系マンションの特徴は、レセプションで日本語が通じるほか、マンション内に日本食材スーパーが設置されていたり、またマンションと契約しているタクシーがマンション前に待機していたりします。マンションによっては、病院や保育施設を併設したり、住人によるイベントが催されたりと、日本と変わらない生活ができます。

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